その他の青色申告の特典を活用する!

純損失の繰越控除や繰り戻し還付のほか、青色申告には次のような特典があります。

【青色申告特別控除】
その事業所得から、青色申告控除として最高65万円を控除することができます。

ただし、この特別控除を受けようとする場合には、正規の簿記の原則(複式簿記)にしたがって作成した貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付しなければなりません。

でも、いずれにせよ消費税の免税点が1000万円に引き下げられ、きちんとした帳簿をつける必要があるわけですから、白色申告の場合には、青色申告の手続きをするのも十分メリットがあります。

【青色事業専従者給与】
青色申告者がその事業に従事している生計を一にする親族(15歳未満を除く)へ支払う適正な給与(事前に届出が必要)については全額必要経費になります。

一方、白色申告の場合は、支払った給与の額に関係なく1人につき最高50万円(配偶者の場合には最高86万円)しか必要経費になりません。

日本の所得税は「超過累進税率」となっており、所得が多ければ多いほど税率が高くなります。
したがって、例えば1人で1000万円の事業所得として税金を納めるより、専従者に給与を払って所得を分散したほうが、家族全員で納める税金のトータルは安くなります。

白色申告の場合と、青色申告の場合にどれぐらい税金がちがうが具体例で計算してみましょう。

白色申告
青色申告
売上高
3000万円
3000万円
仕入・経費
2000万円
2000万円
専従者給与(控除)
86万円
300万円
青色控除前所得
914万円
700万円
青色申告特別控除
0
55万円
事業所得金額
914万円
645万円
所得控除
200万円
200万円
差引所得金額
714万円
445万円
所得税・住民税
171万円
91万円
事業税
21万円
7万円
夫の税金合計
192万円
98万円
妻の所得税・住民税
0
19万円
家族の税金合計
192万円
117万円
・夫の所得控除は200万円、妻の所得控除は所得税、住民税とも43万円として計算 ・定率減税は考慮していません。 万円未満の端数は切り捨て。

白色申告で所得が1000万円の場合、青色申告の特典をちょっと活用すれば、75万円もの税金が安くなります。青色申告にはこのほかに、貸し倒れ引当金などの特典があるため、うまく活用すれば、より一層税金を安くすることができます。

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このブログ記事について

このページは、アイネックス税理士法人が2005年2月 3日 11:03に書いたブログ記事です。

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