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消費税 早わかり入門編
Q1.消費税の課税事業者になる基準は、どのように判定するのですか?
消費税は事業を行う者が全員納めなければならないわけではありません。
「基準期間」における「課税売上高」が1,000万円を超えるかどうかで決まります。
消費税を納めることになる課税事業者と、その消費税が免除される免税事業者のいずれにあたるかは、以下のように判定されます。
個人事業者の場合
前々年(2年前)の課税売上高が1,000万円超・・・課税事業者
前々年(2年前)の課税売上高が1,000万円以下・・・免税事業者
法人の場合
前々期(2年前の事業年度)の課税売上高が1,000万円超・・・課税事業者
前々期(2年前の事業年度)の課税売上高が1,000万円以下・・・免税事業者
※1 改正により、納税義務の判定方法が変わりました!
詳しくはコチラの記事へ⇒消費税改正 新規事業者は、事業年度設定にご注意を
※2 個人事業者の方へ、増税前が法人成りのチャンスです!
詳しくはコチラの記事へ⇒個人事業者のみなさま 消費税増税前が法人成りのチャンスです!
Q2.消費税の基準期間ってなんですか?
個人事業者の場合
前々年になります。つまり平成27年の基準期間は平成25年となります。ですから、平成27年に商売を始めた場合は平成25年の課税売上高は「ゼロ」ですので、平成27年は課税事業者にはなりません。
法人の場合
前々事業年度となります。また、法人の場合のみ、基準期間の事業年度が一年に満たない場合は、一年に換算して計算した金額となります。
Q3.消費税の「課税売上高」ってなんですか?
簡単に言うと、消費税がかかる売上高を言います。
この消費税の課税の対象となる取引は、「物(資産)を売ったり、物(資産)を貸したり、サービス(役務)を提供したりする」行為を指します。ですから、一般的に言う売上高より範囲が広く、たとえば、事業用の自動車や備品を売ったときの収入もこれに該当することとなります。
Q4.消費税がかからない取引にはどんなものがあるの?
免税取引、非課税取引、不課税取引があります。
≪免税取引≫
海外への輸出品に対する売上げが代表的で、これには消費税はかかりません。なぜなら、日本で消費されないからです。
しかし、実はこの取引は、0%の消費税をかける課税取引にあたります。結果的に消費税がかからないだけなので、「基準期間」の「課税売上高」には含めることとなります。(ちょっとややこしいですね。)
*反対に輸入品には消費税がかかります。日本で消費されるからですね。
≪非課税取引≫
土地の売却や住宅用の家賃などが代表的です。消費税の対象とすることになじまないものや、社会政策的に配慮されているもので、該当するものは限られています。
≪不課税取引≫
保険金の受け取りや、に代表されます。課税の対象となる要件から外れているものを指します。
これらを具体的に区分すると次のようになります。
免税取引、非課税取引、不課税取引があります。
≪免税取引≫
海外への輸出品に対する売上げが代表的で、これには消費税はかかりません。なぜなら、日本で消費されないからです。
しかし、実はこの取引は、0%の消費税をかける課税取引にあたります。結果的に消費税がかからないだけなので、「基準期間」の「課税売上高」には含めることとなります。(ちょっとややこしいですね。)
*反対に輸入品には消費税がかかります。日本で消費されるからですね。
≪非課税取引≫
土地の売却や住宅用の家賃などが代表的です。消費税の対象とすることになじまないものや、社会政策的に配慮されているもので、該当するものは限られています。
≪不課税取引≫
保険金の受け取りや、に代表されます。課税の対象となる要件から外れているものを指します。
これらを具体的に区分すると次のようになります。
サービス内容 |
|
---|---|
課税取引 |
・国内での卸売・小売販売 ・国内でのサービス提供、飲食業 ・国内での建設・製造業 ・診療報酬(自由診療分) ・事務所・倉庫等の賃貸料・礼金・更新料収入 ・駐車場(青空駐車場を除く)の賃貸料収入 ・賃貸期間1ヶ月未満の居住用家屋賃貸料収入、土地賃貸料収入 ・車両、備品等の売却収入 |
免税取引 |
・日本から海外への輸出売上 ・輸出物品販売場での売上 ・海外の居住者・法人へのサービス提供(国内での飲食・宿泊等を除く) |
非課税取引 |
・土地の売却 ・物品切手(商品券、プリペイドカード等)の売上 ・有価証券の売却 ・利息の受取 ・診療報酬(社会保険分) ・居住用家屋の賃貸料・礼金・更新料収入(賃貸期間1ヶ月以上) |
不課税取引 |
・海外で行った公演の売上 ・配当金の受取・保険金の受取 ・損害賠償金の受取 ・寄付金、お祝金、香典等の受取 ・税金の還付金 ・補助金、助成金の受取 債務免除益 ・敷金、保証金の受取(返却分) ・借入金の入金 |
Q5.消費税の納税額はどのように計算するのですか?
消費税納税額の計算方法の原則は、「預った消費税」から「支払った消費税」を差引くことにより計算します。
- 消費税の納付税額=課税期間中の課税売上等に係る消費税額(預り消費税)-課税期間中の課税仕入等に係る消費税額(支払い消費税)
具体的に以下の例で計算してみましょう。
*消費税は正確には、国税(6.3%)部分と、地方消費税(1.7%)部分を別々に計算することになりますが、単純化するため税率8%で計算しています。
(単位:万円、税込経理)
課税取引 | 4,320 |
---|---|
仕入高(課税) | 1,728 |
人件費(不課税) | 1,000 |
経費 (課税) | 1,080 |
経費 (非課税) | 20 |
差引き利益 | 492 |
預かり消費税
4,320万円×100/108×8% =320万円(A)
支払消費税
(1,728+1,080)×100/108×8%=208万円(B)
差引き消費税納税額
(A)-(B) 112万円
Q6.今年から消費税の課税事業者になってしまいました。具体的にはどんなことをすればよいのでしょうか?
課税事業者届出書を提出する!
課税事業者になったら税務署に「課税事業者届出書」を提出します。自分が課税事業者になったことを確認するための届出書です。
「原則課税」か「簡易課税方式」のどちらかを選択しましょう!
消費税の納税額の計算は、「原則課税方式」と「簡易課税方式」(『知らなきゃ損する応用編』参照)の2つの方法から選択することが出来ます。(基準期間の課税売上高が5千万以下の場合に限ります。)
この「簡易課税方式」を選択する場合には、選択する課税期間開始日の前日までに「簡易課税制度選択届出書」を提出しなければなりません。(設立事業年度又は事業開始年の場合にはその事業年度又はその年の末日までの提出となります。)
したがって、専門家に相談するなどして、どちらか有利な方法を選択する必要があります。
表示価格を総額表示へと変更する!
小売業や飲食業など、不特定多数のお客様を対象に事業を営んでいる場合は、課税事業者となった時点で総額表示が義務付けられるようになりました。値札やカタログの金額、飲食店であればメニューの価格等を税込金額へ変更する必要があります。
経理処理をきちんと行う!
正確に消費税の納税額を計算するには、日々の経理処理を「消費税がかかる取引」と「消費税がかからない取引」に区分する必要があります。また、消費税を抜いて利益を把握する「税抜経理」を採用するのか、消費税を含んだ利益を把握する「税込経理」を採用するのかも事前に決める必要があります。これらによって、それぞれの記帳の仕方や、会計ソフトの設定変更などが必要になってきます。
途中から変更するのは大変です。事前にきちんと決めましょう。
納税のための資金手当てをしておきましょう!
消費税は利益が出たときに納める所得税や法人税とちがい、多くの場合、赤字でも納税しなければなりません。なぜなら、経費のなかには消費税のかからない人件費などが含まれているからです。
納税額を予測して、あらかじめ納税用の資金の定期積立などで準備しておくことをおすすめします。